『クェーンドール王朝』のネクロン兵団が、政情が不安定化した帝国の穀倉惑星バビルムⅢを版図に組み込むべく、地表への強襲降下を敢行して幾ばくかの月日が流れた。 この間にネクロン兵団は北半球を中心に、入植地や惑星防衛施設を次々と制圧していった。 一方、集合艦隊『テュポーン』のティラニッド群集団もまた、バビルムⅢへの侵食を進めており、赤道直下に広がるプランテーション群に狙いを定め、これらのほとんどを食い尽くしていた。 さらなる、生物資源を求めてティラニッド群集団は、じわじわと北上を開始した。 双方とも、バビルムⅢを侵略、若しくは侵食を始めた当初こそ、お互いを意識することはなかった。だが、勢力圏を接して向かい合った時、両者が激突することは最早時間の問題であった。 「汚らわしい蟲どもが占領地を荒らし回っている」、との報に激怒したネクロン・オーヴァーロードは、自らの宮廷家臣団を招集し、全主力を率いて、ティラニッドを討伐すべく出撃した。 スウォームロードクラスを含む2匹のハイヴタイラントに率いられたティラニッドの群集団は、アダド街道を北上中であったが、ネクロンの接近を察知し、周辺に展開する群を集結させていた。 惑星防衛軍が遺棄した掩蔽豪と、幾らかのの廃墟が立ち並ぶアダド街道を東西に挟んでネクロンとティラニッドは、対峙した。
先に動いたのはティラニッドだった。本来、小型個体の繁殖に用いるはずのターヴィゴン3個体を前面に押し立て、随伴するターマゴーントの大群と共に、前進を開始する。
オーヴァーロードも、カノプテック・スパイダー、カノプテック・スカラベ、カノプテック・レイスといったドローン群やク・タン・シャードを繰り出して、応戦する。 また、オーヴァーロード自身も、暗闇のヴェールを用いて宮廷家臣団、クリプテック指揮下のイモータル部隊と共に、ティラニッド群集団の後背への強襲を敢行する。
しかし、群集団の後方には、ティラニッド・ウォリアーの一群が伏兵として巧妙に隠蔽されており、オーヴァーロード達が実体化すると同時に、背後から襲いかかった。 これに呼応し、スウォームロードたるハイヴタイラントや、一部のターマゴーントも引き返してきて、包囲する。この大群による飽和攻撃により、オーヴァーロードは斃れ、宮廷家臣団も壊滅する。
司令塔を失ってしまったネクロン兵団であったが、そもそも火力、防御力に置いて、ティラニッドを大きく凌駕しており、各ネクロン・ロード、クリプテックの判断で交戦が継続され、ティラニッドに消耗戦を強いる。
特に、ク・タン・シャードは、自軍側面から奇襲攻撃をしかけてきたジーンスティーラーの群れを単独で屠り、ターヴィゴン1匹を抹殺することに成功する。フレイドワンの一団もまた、加勢にかけつけてきた。 それでもティラニッド群集団も、数にモノを言わせ、地中から出現したトライゴン・プライムを先手として進撃を続け、アナイアレーション・バージ、ゴーストアークを撃墜し、ネクロン・ウォリアーの密集隊形を押し潰し、ネクロン兵団を追い詰める。
だが、ネクロン兵団の切り札モノリスと、ネクロン・ウォリアーで構成される最後の予備兵力がティラニッド群集団後方へ出現した時、ティラニッドの攻勢は限界点を迎える。 スウォームロードは、モノリスを撃破すべく他の大型個体と共に、で襲い掛かるが、モノリスはびくともせず、逆に襲い掛かってきたターヴィゴンを次元の彼方へ追放してしまう。 これに呼応し、残存していたネクロンたちも、各所で反撃を開始し、戦線は膠着状態に陥る。 ネクロン兵団は、ティラニッドを押し返すことに成功し、撤収を開始する。オーヴァーロードと宮廷家臣団が壊滅した以上、戦闘継続は困難である。 一方の、ティラニッド群集団にも、ネクロンを追撃する余力は残っておらず、既に多数の大型個体を失っており、これ以上の損害は、惑星侵食に大きな支障をもたらす、とハイヴマインドが判断したのである。 アダド街道を挟んで暫く睨み合っていた両軍であったが、宵闇が訪れると共に、静かにを離脱していった。
text by TA
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